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親名義の不動産に住み続けるには代償金が必要? 遺言書で争いを防ぎましょう
親名義の不動産に住んでいる方へ
親名義の不動産に住んでいる場合、親が亡くなった後に相続が発生すると、その不動産に住み続けようと思えば、兄弟姉妹に対して多額の代償金を支払わなければならない可能性があります。
これは、民法で定められた「法定相続分」に基づいたものです。
多くの方が、自分が親と同居し、介護をしてきたにもかかわらず、その貢献が寄与分として認められることはほとんどありません。そのため、法定相続分に応じて、他の相続人に対して代償金を支払わなければならないことがあるのです。
多額の代償金支払いを回避するためには、親に生前に、自宅の不動産を自分に相続させる内容の遺言書を作成してもらうしか方法はありません。
法定相続分とは
法定相続分は、民法で定められた遺産の分配割合です。配偶者や子供、兄弟姉妹など、相続人の種類によって法定相続分が異なります。
例えば、配偶者と子供が2人いる場合、配偶者は2分の1、子供がそれぞれ4分の1を相続することになります。
親と同居・介護しても寄与分は認められない
親と同居していて、介護をしていたとしても、民法上は「寄与分」として認められることはほぼありません。
つまり、介護などの貢献は、遺産分配において考慮されないということです。
代償金の算定方法
代償金の算定は、不動産の価値を評価して行います。
不動産価値の評価は、固定資産税評価額 < 相続税評価額 < 実勢価格 となることが多いです。
兄弟姉妹の仲が悪ければ、代償金を受け取りたい兄弟姉妹は、実勢価格を主張するでしょう。
実勢価格は、不動産会社の簡易査定を用いることが多いですが、折り合いがつかなければ、家庭裁判所で調停を申し立て、家庭裁判所が選任する不動産鑑定士に評価してもらうことになります。
不動産の評価額が上がれば、支払う代償金は上がることになります。
多額の代償金の支払いを回避するためには?
多額の代償金の支払いを回避するためには、兄弟姉妹が仲良くいること、または、遺産に多額の預貯金があることが一番ですが、亡くなった後のことはわかりません。
確実に回避するには、親に生前に遺言書を作成してもらうしか方法はありません。
遺言書があれば、法定相続分とは異なる遺産分配を定めることができます。(但し、遺留分は、兄弟姉妹にある可能性はあります。)
遺言公正証書
遺言書公正証書の例
本公証人は、遺言者xの嘱託により、証人B及び証人Cの立会いのもとに、遺言者の口述を筆記してこの証書を作成する。
遺言の趣旨
第1条 遺言者は、遺言者の有する次の不動産を、遺言者の長男であるA(昭和60年1月1日生)に相続させる。
(1)所 在 浜松市中央区大工町
地 番 5789番1
地 目 宅地
地 積 118㎡
評価証明 1200万円
公正証書遺言でスムーズな相続
公正証書遺言を作成しておけば、遺言執行者を指定することで、相続開始と同時に、他の相続人の同意を得ることなく、相続登記をすることができます。また、自筆証書遺言と比べ、認知症などの遺言能力について、争いになるリスクを抑えられます。
長野法律事務所は親御さんの遺言書作成をサポート
長野法律事務所は、遺留分や生前贈与まで加味して、兄弟姉妹で争いのないように、遺言書を多数作成しています。
親名義の不動産に住んでいる方は、ぜひ長野法律事務所にご相談ください。
遺言書作成に関する初回相談料は、無料です。