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臨時株主総会開催禁止の仮処分命令の決定

ある年の12月20日、親族経営の非公開会社の取締役より、依頼を受け、
同年12月25日に株主総会開催禁止の仮処分命令の決定をとりました。
相談の概要
同年12月18日、ある企業の平(ヒラ)の取締役(少数株主でもある。)Aさんが、
大株主かつ代表取締役の社長より、
事実無根のパワハラ等を理由に
Aさん取締役解任を議案とする12月26日付で開催する株主総会の招集通知を受けました。
当法律事務所は、その取締役より、12月20日、
自身を解任する株主総会を開催させないでほしい旨の依頼を受けました。
弁護士の見通し
株主総会を招集するには取締役会決議が必要
この会社は、取締役会設置会社で、取締役は4名いました。
しかしながら、少なくとも取締役2名に取締役会招集の通知はされていませんでした。
(株主として株主総会の招集は上述の通り、受けています。)
取締役会設置会社において、株主総会を招集するには、
取締役会における決議が不可欠です。
(会社法298条4項、法298条1項1号、2号)
しかしながら、この社長は、取締役会を開催することなく、
株主総会を招集したものと考えられました。
非公開会社では、株主総会を招集するのに、
取締役会を開催したことがない会社が多く、
おそらく、この社長もこれまでと同じように、
社長の裁量で株主総会を招集できると勘違いしたのかもしれません。
議決権行使書を添付する場合、招集通知は開催日の2週間前までに発送する必要がある
また、株主総会招集通知には、議決権行使書が添付されていました。
議決権行使書とは、欠席する株主が、予め、議案の賛否を表明する書面です。

※ 本事件とは関係のない議決権行使書です。
通常、非公開会社の株主総会の取集通知の発送は、
1週間前までにすることが求められています。
しかし、意外と知られていませんが、
議決権行使書を添付して招集通知を発送するには、
2週間前までに招集通知を発送しなければなりません。
(会社法299条1項括弧書、法298条1項3号)
今回の招集通知には、議決権行使書が添付されていましたが、
招集通知が発送されたのは、1週間前でした。
これだけでも、明確な招集通知の手続き違反と考えました。
交渉するも社長は開催を強行しようとする
弁護士から、依頼者の取締役Aさんに対して、
手続きに瑕疵があるので、それを理由に株主総会を開催しないよう
社長と交渉するよう伝えました。
依頼者の取締役は、社長と交渉しましたが、
社長は、株主総会の開催するとの一点張りでした。
やむなく株主総会開催禁止の仮処分を申し立てる
株主総会の開催が強行されると、
大株主の社長に、取締役Aさんが解任されてしまうのは間違いありません。
もちろん、事後的に、株主総会の決議を取消す訴訟で、勝訴はできるでしょう。
ただ、一度、解任の登記をされてしまうと、
その間、役員として活動できなくなりますし、
会社での地位がどんどん低下していってしまいます。
そこで、株主総会が6日後に迫った12月20日、依頼を受け、
依頼を受けたその日に、株主総会開催禁止の仮処分の申立てをしました。
株主総会開催禁止の仮処分の決定が出る
株主総会開催日の前日の12月25日午後14時30分、
審尋期日(申立人を呼び出し、裁判官が質疑応答する手続)があり、
裁判官から、取締役会が開かれていないこと、株主総会招集通知が届いた日を確認されました。
その後、担保金10万円を供託し、
株主総会開催日の前日の夕方である12月25日午後6時頃、
翌日12月26日午前10時開催の株主総会開催禁止の仮処分の決定が出ました。
まとめ
このように、違法な手続きで株主総会が強行に開催されようとする場合、
開催しようとする者と会社を債務者として、
株主総会開催禁止の仮処分を申し立てることができます。
もし、自身に不利益な株主総会が開催されそうになった場合には、
手続の瑕疵を主張し、開催を差し止めることができるかもしれません。
時間がほとんどありませんので、弁護士にすぐにご相談ください。
一方、経営者の皆様も、株主総会の招集手続きは、厳格ですので、
重要な決議をしようとする会社は、事前に弁護士に相談することをお薦めいたします。
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